レジリエンスを育てる折れない心のつくり方
気候の変化に仕事のノルマ、人間関係や子育て、介護など、私たちの生活にはさまざまなストレス要因が存在し、それらを完全に避けることは難しいものです。こうした状況の中で、うまくストレスに対処できる人とそうでない人の違いは何でしょうか。その答えの一つが、今回ご紹介する「レジリエンス」です。
レジリエンスとは、困難やストレスに直面したときに、それを乗り越え、回復する力のことです。これは生まれ持った性質だけでなく、後天的に育てることができるスキルでもあります。カウンセリングの場面では、ストレスへの対処がうまくいかないときに「私の性格を変えた方がいいのでしょうか?」とご相談いただくことがあります。しかし、レジリエンスは今からでも育て、伸ばすことができるスキルです。そのため、性格を変えるのではなく、レジリエンスを身につけていくという視点で、カウンセリングの中で一緒に考えていくことが可能です。何事にも共通しますが、スキルを身につけるためには、いくつかのコツがあります。今回はそのポイントをご紹介いたします。

レジリエンスを高めるには?
「レジリエンスを高める」には、日常の習慣や考え方を理解し、必要に応じて見直すことが重要です。特に、自分自身の考え方は、日常生活の中で振り返る機会が少ないかもしれません。そこで、ストレスを感じた出来事を思い出し、そのとき自分が何を考えていたかを振り返ってみましょう。こうした内省を通じて、自分の思考パターンに気づき、柔軟で前向きな考え方へとつなげることができます。
ポジティブな考え方の習得
振り返りができたら、次はストレスを乗り越えるために、考え方を見直してみましょう。たとえば、仕事でミスをして上司に叱責された場合、多くの人は気分が落ち込んでしまうかもしれません。しかし、失敗は、次に同じような場面に遭遇したときのヒントを得る貴重な機会でもあります。ネガティブな出来事の中にも、ポジティブな側面を見つけてみましょう。


ネガティブから抜け出す工夫
さて、「そうは言っても、なかなか前向きに考えられない」ということも少なくないでしょう。そんなときは、思い切ってブレインストーミング的に多角的な視点で考えてみるのがおすすめです。現実的かどうかは一旦脇に置き、まずは多様なアイデアを出すことで、出来事を客観的に捉えられるようになります。このプロセスを通じて思考の幅が広がり、前向きな視点を見つけるきっかけにもなるでしょう。
カウンセリングでお手伝いできること
このようにしてポジティブな考え方に目を向けることを繰り返すことで、同じような場面に再び直面した際にも乗り越えやすくなり、困難に対処するスキルが身についていきます。一度きりではなく、習慣化することでその効果はさらに高まります。
とはいえ、一人で進めるのは難しく、「この方向で合っているのだろうか」と不安になることもあるかもしれません。そんな時は、ぜひカウンセリングを活用してみてください。カウンセリングでは、カウンセラーと一緒にレジリエンスを高める方法を検討することができます。話すことで考えが整理されることもありますので、まずは一度、カウンセリングでゆっくりお話ししてみることをご検討ください。
