新入社員が知っておきたい職場でのコミュニケーションとウェルビーイング
4月は”はじまり”の季節。新入社員として働き始める人は、新生活への期待と不安を抱えているのではないでしょうか。特に「職場の人たちとうまくやれるだろうか?」「仕事とプライベートの両立はできるだろうか?」といった不安は、多くの人が抱えている悩みだと思います。
今回は新入社員なら知っておきたい職場でのコミュニケーションのポイントと、自分らしく過ごすためのウェルビーイングを向上させるセルフケアをご紹介します!
新入社員が直面しやすい職場の課題

新入社員の皆さんは、4月からの新生活に向けてどのような不安や悩みを抱えているのでしょうか。業務内容を覚えることや職場環境へ慣れることへの不安、将来に対する漠然としたキャリアプランへの心配など、考えられる悩みはいくつかありそうです。
<新入社員が直面しやすい課題例>
- 業務内容が覚えられるか不安
- 業務で使う専門用語やツールの使い方がわからない
- 上司や先輩とのコミュニケーションに緊張する
- 何をどこまで報告すべきかわからない
- 小さなミスを報告しにくい
- 複数の業務を同時にこなすのがむずかしい
- 敬語や名刺交換のマナーなどに不安がある
- 自分に向いている仕事かわからない、成果が出るか不安
仕事をはじめることで、プライベートの過ごし方も変わります。仕事と家事を両立できるか、友人や恋人との付き合いを保てるか、といった不安もあるでしょう。
インターネット調査では、仕事・職場生活をおこなう上での不安について、1位が「仕事についていけるか(65.0%)」、2位が「上司とうまくやっていけるか(45.9%)」、3位が「先輩・同僚とうまくやっていけるか(37.6%)」という結果が出ています(リクルートマネジメントソリューションズ調べ)。
https://www.recruit-ms.co.jp/news/pressrelease/0632561103
業務内容は人それぞれですが、上司や先輩・同僚といった「人間関係」はどの職場にも共通した悩みだとわかります。頼れる上司やしっかりした先輩も、かつては同じような悩みを抱えていたはずです。
今後、長く社会人として働くためには、まずは「円滑な人間関係を築くスキル」を身に着けることが重要です。
職場に馴染むコミュニケーション

新たな人間関係を築く時やチームとして良好な関係を作りたい時には、日ごろのコミュニケーションを意識してみましょう。今回は「上司・先輩」「同期」、そして自分自身の考え方について想定される課題とアドバイスをお伝えします。
① 上司・先輩との関係
上司や先輩との関係は、仕事のやりがいや楽しさに大きな影響を与えます。特に年の離れた上司とのコミュニケーションでは「何を話したらいいかわからない」「接し方が難しい」と悩む人も多いようです。
<課題例>
- 「報連相(報告・連絡・相談)」を求められるが、どの程度の頻度で行うべきか迷う。
- 上司や先輩の考え方や仕事のスタイルに合わせるのが難しいと感じる。
解決策としておすすめしたい方法は「周囲を観察すること」と「積極的に質問すること」です。
例えば、「報告の頻度がわからない」という人は、まずは「頻繁に報告しすぎかな?」と思うくらい積極的に報告してみましょう。上司や先輩の反応を観察しながら、どのタイミングが適切なのかを学ぶことが大切です。確認する際には「〇〇の件ですが、今の段階で一度ご確認いただいた方がいいでしょうか?」などと聞くようにすると、上司・先輩のペースがわかりやすくなります。
また、仕事でわからないことや疑問に思うことがあれば、小さなことでも質問してみましょう。「この業務の進め方について、ポイントがあれば教えていただけますか?」などと聞くと、具体的なアドバイスをもらえることがあります。もちろん、その前には自分で下調べをしたり、周囲を観察して進め方を学ぶことが大切です。上司や先輩の指示に従うことだけでなく、自分なりの方法を模索していきましょう。
② 同期との関係
同じ新入社員同士だからこそ、同期とは良好な人間関係を築きたいですよね。しかし「仲良くなりたい」と思う気持ちもある一方で、職場内では仲間でありライバルです。同じ立場でも任せられる仕事に差がでてくると、同期に対して焦りや嫉妬の感情を抱くこともあるかもしれません。
<課題例>
- 同じ立場のはずなのに、成長スピードや業務の理解度に差が出ることで焦りを感じる。
- 仲良くなりたい気持ちと、ライバル意識の間で葛藤する。
- 職場でのコミュニケーションの仕方がわからない。
このような悩みを抱えた時には、まず「人それぞれペースが違う」ことを意識しましょう。同期入社であっても部署によって業務の習熟度は異なりますし、同じ仕事でも向き不向きがあり、人によって成長速度は違います。同期という身近な存在だからこそ比較してしまいがちですが、「昨日の自分より成長できているか?」と自分に目を向けることが大切です。
また、同期はよきライバルではありますが、同じ会社の仲間でもあります。チームメイトや学びの仲間だと考え、互いに切磋琢磨する関係を築けるといいでしょう。同期同士で集まる機会を作ると、情報交換や互いの強みを活かす関係づくりにつながります。仕事の話ができるようになれば、おのずと雑談などで仲も深まります。適度に交流することで、公私共に充実した社会人生活を送ることができるはずです。
③ 自分の居場所の確立
学生から社会人へのステップアップは、大きなステージの変化です。これまでの環境や人間関係との違いから、「自分らしさ」を見失ってしまうこともあります。
<課題例>
- 「職場の空気を読まなければ」と意識しすぎて、自分らしさを出せない。
- 新しい環境に馴染むのに時間がかかり、自分だけ浮いているように感じてしまう。
新入社員が職場に馴染むまでに時間がかかるのは当たり前です。無理して周囲にあわせたり、すぐに親しい人間関係を作ろうとすると、逆に居心地が悪くなってしまうこともあります。自然体でいることを意識して「半年~1年かけて自分の居場所を作ること」を目標に行動してみましょう。
おすすめしたい方法としては「小さな役割を持つこと」が挙げられます。例えば「会議で議事録をとる」「資料整理を手伝う」など、小さなことでも貢献する場を見つけられると、居場所を見つけやすくなります。業務の中で自分ができることには積極的に手を挙げ、周囲に認めてもらう行動を積み重ねていきましょう。
健康的に働くために大切な「ウェルビーイング」の考え方

長く健康的に働き続けるためには「ウェルビーイング」という考え方も重要です。ウェルビーイングとは新たな健康の捉え方で、従来の身体的な健康に加えて、精神的・社会的に満たされた状態のことを指します。
入社してすぐの頃は、目の前の業務や新たな人間関係への対応で手一杯です。しかし、半年、1年と過ぎる頃には、仕事内容や職場の人間関係などに慣れてきます。日々できることが増え、仕事にやりがいや楽しさを感じるようになってくるでしょう。
そんな時「ウェルビーイングを大事に過ごせているかどうか」が重要です。
例えば、仕事に熱中するあまり睡眠時間を削ったり、健康的な食生活を送れていなかったりすると、身体の健康を害してしまいます。すると、仕事に集中できなかったりミスが増えたりしてしまい、業務に悪影響が出てしまうでしょう。
また、ウェルビーイングは仕事の「やりがい」にも影響を与えます。心が疲れている状態では「仕事がつらい」と感じやすくなり、新たな分野への挑戦心も出てきません。
1人ひとりがウェルビーイングを大事に過ごすことが、仕事に向き合う力や社員同士で力を合わせる力を支えます。
もちろん、職場に限らず、よい人間関係を築くためには、自分自身が心身共に健康な状態であることが重要です。ポジティブな気持ちで仕事に取り組むことができるよう、社会人として自分自身をセルフケアする必要があるのです。
以下の記事でも、ウェルビーイングに関する詳しい情報をお伝えしているので、ぜひ参考にしてみてください。
https://armg.counseling-portal.com/well-being
今日のケアが明日の自分を作る:新入社員ができるセルフケア

セルフケアの方法はいくつかありますが、その中でも新入社員におすすめしたい方法を3つお教えします。どれも小さな一歩から始められるアクションですので、4月からの新生活に備えて、今から知識を身につけておきましょう。
① ストレスをためこまない
新生活が始まると「仕事がうまくいかなかった」「上司との関係がうまくいかない」などのストレスが溜まることがあると思います。そんな時には、頑張りすぎずに自分を許すこともウェルビーイングの一環です。「できないこと」ではなく「できること」に目を向け、ストレスをため込まないことが大切です。
② 仕事とプライベートのバランスを意識する
仕事が始まると毎日が忙しく、休日は寝て過ごす・・・という社会人もいます。しかし、休日や仕事終わりの休息時間は、心をリフレッシュさせるタイミングでもあります。趣味や友達と過ごすなど、プライベートの時間を充実させることも大切です。
プライベートの時間が充実すると、生活にメリハリが生まれ、仕事のパフォーマンスも向上します。衣食住を整え、活力を生むプライベートのバランスを見極めていきましょう。
③ 相談できる環境を活用する
最後に、ストレスや悩みを一人で抱えず、誰かに相談する・頼ることも自分が自分にしてあげられるケアの一つです。職場内のサポート制度を利用したり、カウンセリングを活用して自分の気持ちを整えてみるのはいかがでしょうか。
「仕事について、漠然と不安を感じている」「会社にうまく馴染めていない」と感じている方は、アドバンテッジカウンセリングをご利用いただき、自分自身と向き合う時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
カウンセリングサイトへのログインはこちら:https://user.counseling-platform.com/login?vid=1
まとめ:仕事の人間関係で悩まないようにセルフケアを大切に

新入社員にとって、新生活で良いスタートを切れるかどうかは重要です。職場に早く馴染み、仕事をスムーズにこなすためにも、自分自身を大切に過ごすことを忘れないようにしましょう。ウェルビーイングを意識して過ごすことは、自分自身の心身の健康だけでなく、周囲の人の健康や幸せにも影響を与えます。誰しも新入社員だった頃があるように、あなたの悩みは他の人も経験しているものです。不安な気持ちを一人で抱え込まず、周囲の力やカウンセリングなどのサポートを活用してみてください。