年代別に見る悩みのかたち‐カウンセラーの現場から見える心の風景‐
私たちカウンセラーのもとには、日々、さまざまな年代の相談者が悩みや思いを語りに訪れます。悩みは誰にでもあるものですが、その内容は年代ごとに異なり、社会の変化やライフステージと深く結びついています。
こうした多様な声に耳を傾け、寄り添いながら、相談者が自分らしく生きるための支援を行っておりますが、各年代ではどのような相談が多いのでしょうか。
カウンセリング現場で見えてきた「年代別の悩みの傾向」と、それに対する支援のあり方を考えてみます。

20代:自己理解と職業適性の迷い
社会人としての第一歩を踏み出す20代は「自分に向いている仕事がわからない」「やりたいことが見つからない」といった悩みを抱えることが少なくありません。
また、価値観の違いに戸惑い「自分の考えが受け入れられない」と感じることが、早期離職の原因となるケースもあります。この年代は、自己分析やキャリアカウンセリングを通じて、自分の強みや価値観を言語化することが有効です。
20代から成功体験を積み重ねることで、自己肯定感が育まれ、将来への展望も描きやすくなります。
30代:キャリアの停滞感とライフイベントの交錯
30代は仕事に慣れてきた一方で「このままでいいのか」とキャリアの方向性に迷いが生じる時期です。特に、結婚や出産などのライフイベントが重なることで、仕事との両立に悩む声が多く聞かれます。
また「スキルがない」「専門性がない」といった自己評価の低さから、転職や異動に踏み切れないケースも見られます。
職場での役割が変化する中で、自己の価値を再定義する作業として、カウンセリングでこれまでの経験を振り返りながら、今後の目標を具体化することが有効です。


40代:家庭と仕事の板挟み、将来の不安
40代になると、収入や生活の安定、親の介護など、家庭に関する悩みが増えてくる傾向がみられます。
また、職場では管理職としての責任が増す一方で、部下との価値観の違いや、AIなど技術革新への適応に不安を抱えるケースもあります。
この年代は、ライフワークバランスの見直しと、健康面への配慮が欠かせません。ストレスマネジメントやメンタルヘルス支援を通じて、心身の安定を図ることが、キャリアの持続性にもつながります。
50代以降:リタイアメントと自己再定義
50代以降になると、定年後の生活や再雇用、健康への不安が中心となります。特に、再雇用後の役割や居場所に悩む声が多く「自分はまだ必要とされているのか」といった自己価値の揺らぎが見られます。
また、家族の介護や自身の体調変化により、働き方の見直しを迫られるケースもあります。
この年代は、キャリアの再定義とともに、社会とのつながりを維持する支援が重要です。


さいごに
各年代ごと悩みはあるものの、根底にあるのは「自分らしく生きたい」という想いになります。
カウンセリングではその想いに寄り添い、共に考え、相談者が自分自身を取り戻すプロセスを支えていきます。自分らしさを見失いそうになったら、ぜひアドバンテッジカウンセリングをご利用ください。